魂に効くブックレビュー その4
『ようこそ、おまけの時間に』
岡田 淳 作、偕成社(対象年齢:小学校上級から)
あらすじ
毎日連続して見る夢の世界では、
誰もがイバラの中に閉じこめられて眠っていた。
賢はカッターナイフを手に夢の時間を待ち、
少しづつイバラの蔓を切り開いていく。
まず自分が自由になると、次は
隣の席の明子にまとうイバラを切ってやる。
目を覚ました明子は普段の教室の明子と違う。
もっと話しやすく優しい。
賢も夢の世界だとはきはきと意見が言え、のびのびと振る舞える。
二人は毎日連続してみる夢の中で、
毎日次々に級友たちをイバラの眠りから救い出す。
イバラに覆われ、死んだように青白い顔をして眠る姿を見ると、
とても見過ごせなかったのだ。
次々と目覚める級友たちは、
やはり現実の学校でのみんなと違っていた。
ガリ勉だと思ってた子はひょうきんで陽気だったし、
お上品ぶったお嬢様だと思っていた子は
気取ったところのないさばさばした子だった。
みんなで力を合わせてイバラと格闘するうちに、
毎日現実の教室で顔を合わしていても得られなかった
友情と協力と同志愛が芽生えていく。
イバラに覆われた異世界に突然
目を覚ますことになる仲間たちのために、
賢たちは学校放送を使うことにする。
「ようこそ、おまけの時間へ。
僕たちは君たちより先に目覚めたものです・・・」
そしてその夢の世界でのできごとは
確実に現実の世界をも変えていく。
感想
これは既に「コーチング児童文学」だ。
人の本質を目覚めさせ、本来の輝きを取り戻させること。
それこそコーチのミッションでありコーチングの目指すところ。
みんな本質は眠ってる。
目覚めればもっともっとつながりあえ、共感しあえ、
協力しあえるのに。
物理的な距離は近くにいても、
それぞれがイバラの蔓の中に分断され、眠っていては
とても孤独で無力だ。
先に目覚めたものが、周りの人間を揺り起こす責任を負っている。
そして目覚めた者同士が手を携えれば
もっと大きな変化を社会に起こせる。
対象年齢:小学校上級から、とありますが、大人にもおすすめ。
エンディングのイメージもとても綺麗。
心の中に今も炎が燃え上がっている光景があります(^^)
『ようこそ、おまけの時間に』
岡田 淳 作、偕成社(対象年齢:小学校上級から)
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【♪魂に効く ブックレビュー♪】
1、『あまたにつまった石ころが』 キャロル・オーティス・ハースト 著 千葉 茂樹 訳
2、『ルラルさんのにわ』 いとう ひろし 作・絵
3、『ボビーとそらいろのヨット』 マーガレット・バーディック 作、 わたなべ しげお 訳
4、『ようこそ、おまけの時間に』 岡田 淳 作
5、クリスマス特集 『すてきな三にんぐみ』 トミー=アンゲラー作 『もちもちの木』 斎藤 隆介 (著) 滝平 二郎(絵)
6、『せかいいち うつくしい ぼくの村』 小林 豊
7、『はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー』 バージニア・リー・バートン
『もぐらとずぼん』 作: エドアルド・ペチシカ 絵: ズデネック・ミレル 訳: 内田 莉莎子
8、『秘密の花園 (上)(下)』 フランシス・ホジソン バーネット 作、 山内 玲子 訳
『トムは真夜中の庭で』 フィリパ・ピアス 作 高杉 一郎 訳
9、『どんどこももんちゃん』 とよた かずひこ 作・絵
『ぼくがおっぱいを きらいなわけ』 礒 みゆき 作・絵
10、『くさる』 なかの ひろたか 『いわしくん』 菅原たくや 『みんなうんち』 五味太郎
11、『おおきなきがほしい』 さとう さとる 作・ むらかみ つとむ 絵
『あな』 谷川 俊太郎 作・ 和田 誠 絵
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スピリチュアルコーチ 珠帆 美汐(たまほ みしお)
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