魂に効くブックレビュー その5
クリスマス特集
『すてきな三にんぐみ』と『もちもちの木』
え?どうして?ツリーもサンタも出てこないよ? と不思議に思われたあなた。
”クリスマス”って、いったい何の日でしょう?
私は、”分かち合う日”だと思っているのです。
確かに、クリスマスはイエス・キリストの誕生日、
キリスト教の信者の皆さんが、主イエス・キリストの誕生日を祝うお祭りです。
しかしそれはキリスト教が普及してから結び付けられたことであって、
もともとは冬至のお祭りだったようです。
(http://www.family.gr.jp/christmas/keyword/keyword.htm
クリスマス・ラブ
「イエス・キリストって本当に12月25日に生まれたのですか?」
を参照ください)
クリスマス・ツリーの起源は、
雪に閉ざされ飢えに苦しむ鳥たちへの プレゼントとして
冬が極まる日である冬至に
麦の穂などを庭先の木につけたことだ
と聞いたことがあります。
夜が一番長くなり、寒さが究極を迎える冬至。
文明の発達した現代と違い
寒さや雪が 飢えや死と直結していた時代に、
「今が一番つらい時期だけど、ここさえ乗越えれば春が来るから」
と隣人同士お互いに励ましあい、
乏しいたくわえを分かち合う日だったのではないでしょうか。
ツリーもサンタも、クリスマスという単語すら出てこないけれど、
”分かち合い”がテーマと言う意味では
クリスマス精神を強く伝える二冊の絵本
『すてきな三にんぐみ』と『もちもちの木』を
ご紹介いたします。
『すてきな三にんぐみ』
トミー=アンゲラー、偕成社
読んであげるなら4歳くらいから
〜〜あらすじ〜〜
黒マントに黒ぼうしの三にんぐみのどろぼうは、
通行人を襲っては宝ものを奪っていました。
ところが、ある日襲った馬車には、
みなしごのティファニーちゃんが一人乗っているだけでした・・・
「えものは なんにもなかったので、
かわりに ティファニーちゃんを だいじにかかえ、
かくれがへ・・・。」
そしてその日を境に 三にんぐみの毎日は、
奪う日々から、
与える日々へと変わっていったのです。
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与えることの豊かさ。
喜ばれることの豊かさ。
奪うことではなく、
与えることによって初めて人は心が満たされる。
要求して、奪いつづけた 三人組み。
いつまでそれを続けても 満たされることはなかった。
でもある日、彼らの存在を必要としてくれる幼い少女に出会った。
与え、喜ばれて、初めて心が満たされる感覚を知った。
相手が幼く無邪気で、素直に喜んでくれたこと。
ここがポイントなんじゃないかなと思う。
相手が大人で、恐縮したり申しわけながったり、
『このご恩は必ず』と何度もくどく言い募ったりしたら、
そこまで満足できただろうか。
無防備に心を開いてくれる幼い存在の前に、
彼らも心が開くことができたのでは。
真実は真実を呼び、率直さは率直さを呼ぶ。
まっすぐに必要としてくれて、まっすぐに喜びで応えてくれる。
そのまっすぐさに、彼らも自分の心の殻を脱ぎ、
必要とされる悦び、人を喜ばせることのできる喜びが
自分の中に確かにあることを認めざるを得なくなった。
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クリスマスに、幼い子どもたちにプレゼントを贈り、
飛び跳ねて喜ぶさまを見るとき、
より多くのものを得ているのは、与えた側かもしれない。
『すてきな三にんぐみ』
トミー=アンゲラー、偕成社
読んであげるなら4歳くらいから
『モチモチの木 』
斎藤 隆介 (著), 滝平 二郎(絵)、 岩崎書店
読んであげるなら4歳くらいから
〜〜あらすじ〜〜
峠の猟師小屋で、ジサマと二人っきりで暮らしている豆太。
人一倍臆病で、夜に一人で外へ出ることができない豆太だが、
ある初雪の舞う夜ふけ、
急病に倒れたジサマのために
助けを求めて 夜の峠道を一人走り出す。
寝巻きのまんま。
はだしで。
はんみちもあるふもとの村まで。
そしてその夜、豆太は不思議なものを見た・・・
大好きなジサマのためなら 強くなれる。
幼い男の子が 冬の夜に遭遇した奇跡を
情感あふれる切り絵で描く名作。
「じぶんでじぶんを よわむしだなんて おもうな。
にんげん、やさしささえあれば、
やらなきゃならねえことは きっとやるもんだ。」
p30より
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どんなに幼く、
どんなにささやかな存在でも、
人は愛する人を守りたいと願う。
大切な人のためなら強くなれる。
『もちもちの木』の表紙では、しわくちゃのジサマが、
愛しくてならないという風情で豆太を抱きしめている。
豆太がジサマのために夜道を走り出したように、
ジサマは 豆太のために 毎日を 生き抜き、
無事猟師小屋に帰って来ていたのだろう。
豆太を独りおいて死ねるわけがない。
この年で、まだ青ジシを追っかけて
肝を冷やすような岩から岩への飛び移りを
やってのけることができるのも、
豆太がいるからだろう。
お腹をすかして待っている豆太のもとへ、
手ぶらでは帰れない。
人は、大切な人が居て、始めて強くなれる。
必要とされなくて、どうして強くなんてなれるだろう?
信じて待っていてくれる人がいなくて、
どうしてがんばれるだろう?
愛する、ということは惜しみなく与えることなのだと、改めてそう思う。
君には
大切な人がいますか?
人は・・・
大切な何かを
守りたいと思ったときに、本当に強くなれるものなんです
(TVアニメ ナルトより)
『モチモチの木 』
斎藤 隆介 (著), 滝平 二郎(絵)、 岩崎書店
読んであげるなら4歳くらいから
.:・:*:' ☆ ':*:・:.
---質問:クリスマスには、どうしてプレゼントをするのですか?---
さて、クリスマスはイエスの誕生日です。
それでは、イエスにバースデー・プレゼントをあげてはどうでしょうか。
「でも、どうやって?」 イエスは、次のように言いました。
「わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは、
すなわち、わたしにしたのである。」(マタイによる福音書 25章40節)
つまり、困っている人を助けたり、
誰かに優しくすることは、イエスに対してしていることとなり、
こうしてあなたもイエスにバースデー・プレゼントを贈れるのです。
http://www.family.gr.jp/christmas/keyword/keyword.htm
「クリスマス・ラブ」クリスマスには、どうしてプレゼントをするのですか?
より抜粋
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『すてきな三にんぐみ』と『もちもちの木』が、
本来のクリスマス精神を強く伝える絵本だということは
納得いただけたでしょうか。
クリスマスを、ただのお祭り騒ぎの日、イベントの日、とするのは
もったいない。
大好きな人 身近な人の幸せを願う日、
お互いに喜びを分かち合う日、
と、子どもたちにも伝えることができたら、素敵ですよね。
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【♪魂に効く ブックレビュー♪】
1、『あまたにつまった石ころが』 キャロル・オーティス・ハースト 著 千葉 茂樹 訳
2、『ルラルさんのにわ』 いとう ひろし 作・絵
3、『ボビーとそらいろのヨット』 マーガレット・バーディック 作、 わたなべ しげお 訳
4、『ようこそ、おまけの時間に』 岡田 淳 作
5、クリスマス特集 『すてきな三にんぐみ』 トミー=アンゲラー作 『もちもちの木』 斎藤 隆介 (著) 滝平 二郎(絵)
6、『せかいいち うつくしい ぼくの村』 小林 豊
7、『はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー』 バージニア・リー・バートン
『もぐらとずぼん』 作: エドアルド・ペチシカ 絵: ズデネック・ミレル 訳: 内田 莉莎子
8、『秘密の花園 (上)(下)』 フランシス・ホジソン バーネット 作、 山内 玲子 訳
『トムは真夜中の庭で』 フィリパ・ピアス 作 高杉 一郎 訳
9、『どんどこももんちゃん』 とよた かずひこ 作・絵
『ぼくがおっぱいを きらいなわけ』 礒 みゆき 作・絵
10、『くさる』 なかの ひろたか 『いわしくん』 菅原たくや 『みんなうんち』 五味太郎
11、『おおきなきがほしい』 さとう さとる 作・ むらかみ つとむ 絵
『あな』 谷川 俊太郎 作・ 和田 誠 絵
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スピリチュアルコーチ 珠帆 美汐(たまほ みしお)
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